サッカーの試合で負けないようにするためには、
失点をしない事が大切だ。
だから、
全員引いて、守備ブロックを作ったりするチームもある。
「前に蹴ろ~!!」
「外に逃げろ~!!」
こんな言葉が聞こえる事もしばしば。
特に、全国大会など、目の前にぶら下げるものが大きければ、
それを平気で割りきってやらせる事ができるチームもある。
いわゆる「勝利至上主義」と言われるような戦い方。
ジュニア期を見ている者としては、全国大会は魅力的な大会で、
子ども達をその舞台に立たせてあげたい
という思いは当然ある。
でも、同時に知っておかないといけないのは、
舞台が上がれば上がるほど、子ども達にとっては成長の場になってる
という事。
独特の緊張感の中で、気持ちは研ぎ澄まされ、いつも以上の力を発揮する事もある。
一皮剥けたな
という感覚だ。
この感覚を子ども達自身が得るためには、
目標に紳士に向き合い、果敢にチャレンジし、全力を尽くす事
が絶対条件になると思う。
目の前の勝利だけのために、
自分達のスタイルを捨ててしまっては、
子ども達が試合後に感じるものは、充実とはほど遠いものになるだろう。
気持ちの整理
はじめに、負けないサッカーは失点しない事で、
その方法についていくつか例を挙げてみた。
だが、対戦してて思う一番の負けないサッカーは、
全力を尽くしてがむしゃらな気持ちで立ち向かってくるチームだ。
むしろ、守備ブロックを作ってくれる、簡単に逃げてくれるプレーをしてくれたら、
主導権を握り続ける事ができるし、
そうなる時、注意しなければいけないのは、カウンターの1本なので、
子ども達も何に注意すべきか整理しやすい。
まぁ、それはよしとして。。。
ここで一番心配しないといけないのは、子ども達の気持ちだ。
「あのチームに勝つために、失点したらいけないから◯◯しよう」
と伝えて、試合に臨むのと、
「あのチームに勝つためには、相手を上回らないといけない」では、
子ども達が感じる試合(大会)の意味も変わってくると思う。
参考:全日本U12サッカー選手権大会が教えてくれたもの~感謝・夢・目標・価値~
いくら子ども達でも、勝ちたい気持ちをマイナス側からコントロールされたら、
今まで積み重ねてきた事の意味を感じる事はできないだろう。
一体感というのは、後ろ向きな気持ちからは生まれず、
何かに向かってチャレンジしようとする時に生まれる。
その一体感が大きければ大きいほど相手にとっては脅威になるし、
子ども達の気持ちも、充実感で溢れるはずだ。
過程の大切さ
結果より過程に意味がある。
よく聞く言葉だし、大事にしている考え方でもある。
大会で結果を出すための過程
成長段階の途中という意味での過程
この2つの過程がある事を常に頭に入れている。
大会で結果を出すために、どういう事を積み上げていかないといけないか?
これからの子ども達の成長のためには、何を積み上げている事が今大切なのか?
この2つの問いを、それぞれ独立させて、考え方が極端になってしまえば、
一方は、「勝利至上主義」に、
一方は、「育成至上主義」になってしまう。
ここで言う「育成至上主義」とは、
育成と謳いながら勝負を捨ててしまうという事。
子ども達は、当然大会に向けて結果が欲しいだろうけど、
成長したい(上手くなりたい)という気持ちも持ってるはずだ。
この2つの気持ちを満たしてあげるには、
2つの過程の中で、何を積み上げているのかを子ども達自身に理解させないといけない。
その理解の中で得た結果は、
子ども達も受け入れる事ができるだろうし、
過程の大切さも知ることができるだろう。
まとめ
ちょうど、全国大会に向けての予選が各都道府県で行われてると思う。
毎年、この大会で思うのが、
スタイルを捨ててまで、負けないサッカーに固執するチームがあるという事。
自分が思う負けないサッカーは、
全力を尽くす
この一言に尽きる。
また、
考え方の違いと思うが、
負けないサッカーを目指すのか、勝つためのサッカーを目指すのか
で大きく大会の価値観も、過程の大切さも変わってくると思う。
優勝する事は簡単ではない。
だからこそ、全てのチームがその簡単ではない目標に向かって、
全力でプレーする姿を見てみたい。
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