クラブで活動する時、
練習・練習試合は、ある程度学年別という考え方が浸透してると思う。
育成年代という事もあり、
無理に「競争」を煽る必要がないという考え方と、
発達段階の違いで、1学年の差はすごく大きいという考え方があるからだろう。
この、学年別で活動する事については、大きく反対する事はない。
だけど、一人一人の個の成長を考えると、
無理矢理、学年割りで活動するよりも、学年割りをベースにしながら、
ある程度のレベルで括ってカテゴリーの行き来が出来る環境を作って上げた方が、
周りへの影響を含めた、個の成長を促してくれるように思う。

レベルに応じた環境設定のメリット
まず挙げられるのは、
目標設定をどんどん上げる事ができる
という事。
学年で縛ってしまうと、そこで一番になった時に満足して、
成長意欲が止まってしまう。
目標は常に高くと言ってるのに、
グラウンドでの努力の成果を、
「ここで終了ですよ」
と区切ってしまうと、それ以上の目標設定ができず、
モチベーションが低下してしまうのは、目に見えている。
実際に、今年の我がクラブでは、
U-12に飛び飛び級している子(2学年の飛び級)がいて、
目標がどんどん上がっていく中での個の成長をリアルに感じている。
そして、この影響は周りにも大きく波及していて、
目標設定に限界がない。
目標設定に壁を作らない。
という意識を子ども達に示してあげる事ができる。
当然、練習での全体の意識は向上して、
練習には活気が生まれてくる。
また、プレーの面から見ても、メリットは大きい。
身体能力の差はどうしてもあるんだが、その能力の差を補うためには、
「技術」「判断力」を上げるしかない。
これは、見ていてつくづく感じるところで、
身体能力の差は、単なる1対1の能力差に現れるだけでなく、
ルーズボールの出現率に現れる。
1対1の力比べは、しょうがないと割り切れるけど、
細かい技術ミス、細かい判断ミスが、ルーズボールとして現れてしまい、
ルーズボールを作った時点で、勝負が決まってしまう。
なぜ「技術」・「判断力」を上げないといけないか?
どんな「技術」と「判断」が必要かをより細かくそれぞれに提示してあげる事ができ、
プレーに雑味が少しずつなくなっていくというメリットもある。
レベルに応じた環境設定のデメリット
もちろん、レベルに応じた環境設定は、
子ども達にある程度の順位付けみたいなものを感じさせるので、
メリットだけではなく、デメリットもある。
そもそも、そこに入る「評価」とは、指導者の目であって、
子ども達自身が手応えとして持ってる、自身の「評価」とズレる可能性がある。
このズレを感じてしまえば、
自信をなくす。(自己肯定感の欠如)
モチベーションの低下
などのデメリットが生じてしまう。
参考:何を成長と感じるかで「自己肯定感」は変わる~小さな勝利がキーワード~
こんな気持ちを、多くの子が持ってしまうと危うい。
個の成長を阻害してしまう事はもちろんで、
チームとしてのまとまりを失わせてしまう可能性もある。
そうならないためには、とにかくコミュニケーションが必要。
ネガティブな力は、ポジティブな力より相当強いから、
納得をさせないといけない。
全体への「評価基準」の説明。
浮かない顔の子には、個別のフォローをする。
この2つがないと、子ども達から簡単に納得はもらえない。
もっと細かく言うと、
しっかりとしたプレーモデルがあり、
そのプレーモデルにもとづいた線引きをしてあげて、
納得させるための理由付けをしてあげないといけないという事だ。
まとめ
レベルに応じた環境設定をすると、
メリットもデメリットもあるけど、個が成長する可能性があるのなら、
レベルに応じた環境設定をやるべきだと思う。
そこで生じるデメリットについては、なるべくチームマネジメントの工夫で解決すべき。
理解と納得の上でってところか。。。
評価は、いつでもフラット
これは、子ども達にいつも言ってる事だけど、
評価をする際に、学年なんて関係ない。
努力がしっかり報われる事を実感できる環境でないと、
努力の大切さをいくら口で言っても、伝わらないはずだ。
学年という縛りに守られている事は、
子ども達の本当の意味での自己肯定感には繋がらないと思う。
評価を得る事だけが自己肯定感に繋がるとは言えないけど、
努力や頑張りが認められる事は、
自分軸で評価する事で得られる自己肯定感とは違った自信に繋がるはずだ。
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