学校教育の中でよく話題になる
「絶対評価」と「相対評価」
「絶対評価」とは、
個人の能力について、あらかじめ定められた評価基準に則って評価する手法
「相対評価」とは、
集団の中で周りりと比較しながら成績や昇進を評価していく制度
と説明されてるが、
サッカー指導の現場においても、
この2つの評価の考え方はとても参考になる事がある。
サッカークラブであれば、
大会等参加するときにチーム分けをすると思うんだが、
その時のチーム分けの基準となっている評価の仕方は、
「相対評価」
Aチーム、Bチームに分けるのは、
指導者としては心苦しい部分ではあるんだが、
これは、避けて通れない。
なぜ、心苦しいかと言うと、
もし、「絶対評価」であれば、
また別の見方が可能で、むしろ、「絶対評価」の中で、
チーム編成だったり、目標や課題を与える指導をしたいから。
その方が、効率的であると思うんだが、
「絶対評価」でチームを編成する事は、現実的に難しい。
「相対評価」でありながらも「絶対評価」の視点を
持っている事が大切だ。

「絶対評価」と「相対評価」のバランス
例えば、Aチームの中の個々を見ると
スペシャルな子もいれば、そのレベルに到底満たない子だっている。
もしくは、レベルはAチームなのに、人数編成の関係で、
Bチームにいる子もいる。
もっと言うなら、
あるチームでは、Bチームだが、あるチームではAチームの実力があるこもいたり、
その逆の場合もあったり。。。
こういうように力関係に差があるのがチームだし、
「絶対評価」でチーム編成できるような個を集めて
チーム作りをしようとも思っていないのだが、
「相対評価」に縛られることによって、
「絶対評価」での実力が見えなくなってしまう事もある。
もちろん、これもプラスに働く部分、マイナスに働く部分があるんだが、
「相対評価」によって得たもの(レギュラーだったり)が
子ども達の満足を生んでしまい、
成長の妨げになってはいけないと思っている。
あるチームで1番上手いからなのか、
中心人物として王様のように君臨して周りには文句、
自分自身は守備をしない
なんて子も意外と見る事が多い。
それは、その子自身に問題があるのも確かだが、
小さいチームとしての括りの中で、指導者が作ってしまった
「相対評価」による1番の作り方にも問題があるだろう。
チームマネジメントを行う上での評価の考え方
クラブ内の子ども達は、セレクションをしない限り、
一定基準(範囲内)にレベルが統一されることはない。
これは、子ども達の可能性を広げ上でとても大切で、
色んなレベルの子がいるからこそ、
サッカーだけに囚われない物の見方もできると思っている。
あの子を目指そうと思う子もいれば、
あの子の分をカバーしてやろうという子もいる。
参考:サッカーレベルの格差をコントロールするためのポイントと考え方
切磋琢磨という素晴らしい言葉があるが、
実力差がチーム内でバラバラだからこそ、
大きな気持ちの浮き沈みを経験しながら、
みんなで伸びていこうという環境も作れる。
そんなところに絶対にあるのが評価。
チームマネジメントをする上で切っても切れないこの事実を
どう潤滑油としてチームに流し込むかは指導者が
一番考えなければいけない事である。
全ての子が思い通りの評価を受ける事は不可能。
それは、「絶対評価」ではなく、チームの中での評価は、
どうしても「相対評価」になるから。
だからこそ、子ども達の心をコントロールできるような
「相対評価」にしないといけない。
まとめ
「絶対評価」と「相対評価」という表現をしながら、
評価について考えてみたが、
シンプルにまとめるなら、
個の評価基準をしっかり持ちながら、
チーム内での実力を評価したうえで、
うまく個育てとチーム作りをしていかなければいけないという事。
その中で、一番重要なのは、
評価に左右されることなく、
常に満足しない向上心溢れた環境になっていく事だ。
そうなるには、
「絶対評価」と「相対評価」のような評価の仕方の違いを
指導者自身が分かっておいて、
チーム内という狭い視野の中だけで、子ども達を評価する事が
ないようにしないといけないだろう。
子ども達が勘違いをしてしまうのは、大人の影響が大きい。
自信を持てるように導くべきだが、
自信が過信にならないようにしてあげないといけない。
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