少年サッカーにおいて戦術論の話をし出すと、
子ども達の自主性や創造性、判断を奪ってしまうという
ネガティヴなイメージが少なからず漂ってしまう。
戦術には、個人戦術とチーム戦術があると思うが、
チーム戦術は、
自チームのゲームモデル+対戦相手や環境(ピッチ・天候等)などの外的要因
で決定される。
では、チーム戦術を決める事において大切なゲームモデルは、
少年サッカーにおいて必要なんだろうか??
ゲームモデルとは、日本語に訳すと試合模型になり、
ゲーム局面において、どんなプレーを選択するのか
というプレー指針(説明書)みたいなもの。
自主性、創造性、判断を大切に育てる
それなのに、指針が決められている
となると、どこか矛盾を感じることろもあるが、
指針や基準を示してあげれなければ、それはただ無秩序なだけで、
指導者としての役割の放棄になってしまう。
つまり、
ゲームモデルを整理したうえで、
自主性、創造性、判断を大切にしてあげる事が必要だ。

ゲームモデルを構築する上での4つの局面
サッカーのゲームには4つの局面があり、
・攻撃
・攻撃→守備
・守備
・守備→攻撃
がある。
この4つの局面を整理できていないと、
攻撃はできるが守備はサボってしまう。
守備はできるが、攻撃に参加できない。
など、局面において考える事ができないプレーヤーになってしまう恐れがある。
アイディアとは、何かと何かが有機的に結びついて出てくるものである。
例えば、攻撃の局面において考えてみると、
場所、相手の状況、味方の状況などで、選択されるプレーは無数にあると思うが、
そこに、何かという型(プレーモデル)がなければ、
良いアイディアは出てこない。
4つの局面においてチームとしてどう反応するべきか
という型(ゲームモデル)を整理してあげる事で、
自主性、創造性=身勝手な自由
判断=迷い
になる事はなく、個人としてもチームとしても力を発揮できるはずだ。
ゲームモデルを構築する上での注意点
ここで、注意しないといけない点がある。
ゲームモデルが、
ただの指導者の理想論になっていないかという事だ。
到達地点のイメージは持っておくべきだが、
選手の能力や必要性に適応したものでなかったり、
段階的な積み上げがないものであれば、
ゲームモデルは、あるようでないようなもの。
参考:サッカー指導は、プラモデルの組み立てに似ている~全体像をイメージし、細部をコツコツと~
子ども達の技術レベルは?
どんな目的、目標があるのか?
子ども達を育てる中でのゲームモデルの存在
という価値観がないと、子ども達と理想のギャップに苦しむだけだ。
ゲームモデルは、決して完成するものではない。
ゲームモデルを構築しても、その後見直す必要があるということも理解しておかなくてはならない。
子ども達は、物事を吸収し、成長・変化する。
当然、子ども達の特性やレベルに応じて修正が必要になるという事だ。
まとめ
ゲームモデルが重要であるという論点で書いてきてきたが、
絶対に間違えてはいけない事は、
ゲームモデルが、子ども達のプレーを強制的に縛るものであってはならないという事。
あくまでも方向性を示すものであり、それを基準としてやり方の計りができるという事だ。
イメージとしては、
指針を明確にし、子ども達の選択肢を絞ってあげる
というよりは、
その局面に適さない選択肢は削って上げて、より良い創造性や判断に導いてあげる
というもので、
ゲームモデルを構築する事が、
子ども達の自主性や創造性、判断を奪うという事には繋がらない。
むしろ、局面においてのプレーを整理する事は、
子ども達に考える機会を与え、その行為自体が、
自主性や創造性、判断能力の幅を広げると思っている。
スペシャリストを育てる事も大切だが、
本物のスペシャリストは、総合的なクオリティが高い上で、
何かが突出している選手だと思う。
自由に好きな事、得意な事だけができるのは、
個人的にはスペシャリストとは呼びたくない。
特に、育成段階の可能性の塊の子ども達においては、
色々学ばせた上で、スペシャルな部分が出てきてくれる事を望んでいる。
ゲームモデルを学ぶ事が、総合的なクオリティをあげる事に繋がるはずだ。
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