少年サッカーでは、10歳頃に「伸び悩みの時期」があるという。
普段、高学年(4年生~)を指導している自分にとっては、
「伸び悩み」より、バリバリの「伸び盛りの時期」だと思うんだが、
教育界でも同じように、「10歳の壁」と呼ばれる時期があるという。
参考:「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは? 子どもの発達段階を意識した4つの対処法(子ども学びラボ)
サッカーで言うなら、キッズサッカーからジュニアサッカーへの転換期。
コートサイズ・人数も変わり、公式戦も入ってくるようになると、
自分にとってサッカーは何か?
という捉え方が多少は変わる事もあるかもしれない。
だが、その変化は、決して「伸び悩み」に繋がるのではなく、
成長のための準備であって、試行錯誤の途中なだけと思っている。
「伸び悩み」があるとすれば、それはただの思い込みではないだろうか。

「伸び悩み」の捉え方を変える
まず、「伸び悩み」という言葉をのイメージがネガティブである事に違和感を感じてしまう。
心理的な変化があるのは、子ども達と接する中で感じはするんだが、
それがプレーに及ぼす影響は少ないと思っている。
むしろ、コートサイズや人数の変化だったり、
合宿・遠征・公式戦が入ったりするなどの環境の変化に対する適応の仕方に個人差があるように感じる。
だとすれば、ただ慣れていないだけで、
「伸び悩み」のような成長スピードが止まったような表現は不適切であるし、
伸び悩んでるな。どうすればいいんだろう?
という疑問の中で子ども達と接する事は、
子ども達を不安にさせるのではないか?とさえ思ってしまう。
心理的な変化の中で、接する大人の子ども達の心に及ぼす影響は大きい。
「伸び悩み」と捉える事なく、
「成長段階での準備期」というようなポジティブな捉え方をするだけで、
子ども達へのアプローチの仕方は変わってくるはずだ。
まずは、「伸び悩み」というネガティブなイメージから脱却し、
大きな視点で、ポジティブなイメージを持つ事で、
子ども達に安心感を与えなければいけない。
具体的なアプローチの仕方について
集団の意識が高まると同時に、
サッカーをやっている中でも、チームを意識していかなければならなくなる時期。
周りとの比較を意識し出すし、
周りとの比較の中で自分の立ち位置が決まるという事実にも直面する。
この事は、指導してる中でマイナスと思った事はない。
「競争」が与えてくれるメリットは大きいと思っている。
ただし、
やみくもに、「負けないようにしろ」「悔しさをバネにしろ」
では、置いてけぼりを感じてしまう子どもが出てしまうのは当然。
「競争の活用」と言うと変かもしれないが、
集団の中での自分をうまく「競争」によって気付かせながらも、
成長の物差しは、いつも自分自身にしかないというのを意識させなければいけない。
参考:自分を客観視できる賢さを~「競争」に勝つ事と「自分軸」を持つ事~
そうなると、集団でのルールを示す事だけではなく、
必ずそれぞれの子ども達に応じてのアプローチが必要になってくる。
そもそも、「伸び悩み」と感じるのは、本人というより、
親が感じる他人との比較にあるように思う。
4年生なんて、日に日に成長を感じるくらい成長スピードが速い時期。
そこに個人差があるのは間違いないんだが、
それぞれの子ども達をしっかり見ると、決して伸び悩んでる事なんてない。
とにかくポジティブに、その子に応じた目標設定をし、
コツコツ成長の手助けをしていくしかない。
まとめ
今年度は5年生を担当してるが、昨年度は4年生を担当した。
その中で子ども達に「伸び悩み」を感じた事はなく、
終わった時には、
よくここまで成長してくれたな
と思ったほどだ。
子ども達にその実感はないかもしれないが(笑)、
一人一人を意識しながら、少しずつ課題を与えていった結果だと思っている。
キッズの時、抜群に強かった訳でもない子ども達が、
熊本県の大会でA・Bチームともベスト4に入り、九州大会へ出場する事ができた。
参考:公式戦で感じた2つの価値~U-10ゼビオカップ九州を終えて~
それは、子ども達の可能性が無限大である事を教えてくれた事実であり、
「伸び悩み」ではなく、「伸びていった」という事の証明だとも思う。
結果が運よく出たとも言えるかもしれないが、
ネガティブなイメージの中で接していたら、ここまでの成長は感じる事はできなかっただろう。
子ども達自身は、あれこれ悩む。
それはあって当然だし、悩みをどう解決するかによって成長スピードも変わってくる。
だが、
指導者や親などの大人が、ネガティブな気持ちで子ども達にアプローチしてはいけない。
なぜ上手くなってくれないんだ?
なぜうちの子が?
みたいな子ども任せのネガティブな悩みを持つくらいなら、
背中を押すための工夫のために悩む力を使った方がいいと思う。
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