指導して10年以上が過ぎた。
指導し始めの頃は、まだ自分自身がプレーヤーとしてもサッカーをやってて、
正直、教える事よりも、自分でやる方が数10倍楽しかった。
まぁ、指導の入り口が、
「サッカー経験者だったからやってみろ」
だったんで、明確な指導に対する志しがなかったのが理由と思ってるが、
そんな自分が段々と指導の魅力に引き込まれていった。
気付けば、10年。
色んな経験をさせてもらったお陰で、指導の引き出しは増えたと思う。
それは、練習内容、子ども達との関係の作り方、ゲームコントロールなど多岐に渡るが、
経験を積んだだけ、完璧に近づいてるかというとそうでもない。
時には、経験が足を引っ張る事もある。

見つめ直す時間を作る
経験が増えると色んな事に余裕を持てるようになる。
この練習がうまくいかなかったら、こうしよう。
失点したけど、⚪⚪だから焦る必要ない。
挙げればきりがないんだが、経験値で問題を解決しようとしてしまう。
ここに大きな落とし穴がある。
そこで、仮にうまくいったらいいが、全てがうまくいくわけではない。
そんな時どう思うか。
「できない子ども達が悪い」
子ども達のせいにする事がもちろん一番悪いんだが、
問題の根っこは、
経験だけを頼りに、考える作業を放棄している事である。
ここのところ、トレーニングがうまくいかない日々が続いていた。
イライラが募るだけだったんだが、ようやくどうしよう??
って考えた時に、しっかり自分を見つめ直してみた。
伝わりづらいかもしれないけど、自分の中には、ある枠みたいなものがあって、
その枠からはみ出ると、余裕がなくなってしまう。
なら、いっその事その枠をずらしちゃえ!
って思った時にスッと割りきる事ができた。
自分の経験が絶対だ。
と思ってると、なかなかこの枠をずらせない。
経験値は、大きな武器にもなるが、足元を見えなくさせる魔法も持っている。
良いときも、悪い時も、
自分自身をみつめ直す時間を作りながら、アップデートを繰り返さないといけない。
勝ち続ける事、負け続ける事に対する懸念~考え方のアップデートをする~
インプットする時間を作る
経験に頼るようになるとインプットを怠る事もよくありがちな事。
特にうまくいってる時ほどこの傾向は強く、
自分のやってる事が正解だと思ってしまう。
自分もそうだった。
色んなことを吸収しようとして、自分の軸が消えてしまうのは良くないが、
良くいってる時ほど余裕があるはずだから、インプットする時間を作らなければいけない。
悪い時は、勝手にもがくからね。
普段見てるカテゴリー以外の子ども達を見たり、
ゲーム中の視点を自チームから他チームに移してみたり。
他の指導者の話を聞くのもいい。
何か吸収してやろう!
って思ってる時は、
色んなものが新鮮に見えたり、新たな発見ができたりするものだ。
まとめ
これは、子ども達にだって当てはまる。
経験値の必要性は散々このブログでも書いてきたが、
参考:成長する上での経験値の大切さ~阿部翔平選手の言葉の重み~
経験したからといって必ず良くなるとは限らない。
負の部分で言うと、
・根拠のない自身
・努力を怠る
・やった気になる
こんなもんだろう。
同じように、経験値を得たからこそ、
自分を見つめ直す時間が必要だし、
インプット(新しい事にチャレンジする)事が必要だ。
経験値を得る事で大きく成長する子もいれば、成長を止めちゃう子もいる。
それは、経験値が増える事によって必要な時間を、
満足に置き換えて無駄にしてるからだろう。
サッカーは知れば知るほど、考えれば考えるほど、答えが見えなくなる時がある。
考えてるだけでは答えは見つからず、そんな時の答えは、現場に転がってる。
だが、その答えを探すには、考える事が大前提にある。
結局は、両者のバランスが取れてこそ成長に繋がるんだと思う。
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