プロ選手の話を直接聞ける機会はあまりないが、
現TOKYO CITYに所属する阿部翔平選手と会う機会があり、
プロサッカー選手としてやっていくために大切な事など、色々聞いてきた。
彼は、名古屋グランパス-ヴァンフォーレ甲府-ジェフユナイテッド千葉を渡り歩き、
2009年には日本代表選出。
J1出場試合数は、300試合を越えるような選手。
左足のキックには、目を見張るものがあり、
キックの話しをはじめ、色々話したんだが、これは小学生にとっても大切だな
と思った事がある。
また、サッカーに携わる指導者も知っておかなくてはいけない事だと思う。
そらは、シンプルなんだが、
たくさんの経験を積む事(積ませる事)
もちろん、技術・判断など当然あってこそなんだろうが、
とにかく試合に出ないと成長できない。試合に出てなくていきなり成功するような選手は見た事がない。
と言ってた。

試合を重ねる中での経験値とは?
彼の話を聞いて面白かったのは、J1でもJ2でも同じようなシーンはたくさんある
という事。
全体的なレベルを見れば、J1とJ2では力の差を見ている方は感じてしまうのだが、
実際に立ったプレーヤー目線になると、同じような事象はたくさんある
という事らしい。
相手も違えば、プレーエリアも、システムも違う。
それは、ゲームの中での大きな括りであって、単純に場面を切り取ると、
選択するプレーの解は、それほど変わらないという事だろう。
これは、大きな気付きだった。
だとしたら、試合を経験する中で、選択を重ね続けた経験値が大切という彼の言葉が、
スッと自分の中に入ってくる。
感覚というのは、緊張感があってこそ研ぎ澄まされていくものだ。
それは、ジュニアの公式戦なんかを見ててよく分かる。
突然、緊張してしまい、思うようにプレーできない(プレーしてくれない)。
という経験は、子ども達にも指導者にもあるはずだ。
参考:公式戦初戦あるある~上手くいかないを解決するには??~
それが、もし同じような緊張感・場面を経験している回数が多ければ、
普段と同じような力を発揮できるはずである。
そうやって、色んな経験値を高めていく事が、成長していくためには必要
という事を彼は言いたかったのだろう。
どうやって経験値を積むか?
感覚は、緊張感ある中で研ぎ澄まされる
と言ったが、
感覚が研ぎ澄まされると、技術・判断力・メンタリティーの成長スピードは加速する事が、
容易に考えられる。
では、そのような環境をどう作り出していくか??
この事は、クラブ理念というか、うちのクラブで大切にしている事なんだが、
・緊張感ある日常の雰囲気を全員で作り出す。
・トレーニングマッチでも勝敗に拘る
・目標設定に応じたフェスティバルへの参加、遠征に行く
この3つを意識している。
ここで間違って欲しくないのは、
がんじがらめに子ども達を縛ってサッカーをやらせようとは思っていないという事。
勝つ喜び・負ける悔しさを真剣さや、全力で取り組む姿勢から
しっかりと自分の心で実感しようという事だ。
手綱を引いてるわけじゃないが、子どもなので、少し緩みはじめると、
楽しさとおふざけの境目が分からなくなってしまう。
参考:「楽しむ」意味を理解し、サッカーに対する意識を変化させよう
そこは、指導者がしっかりコントロールすべきだ。
良い緊張感は、
子ども達と指導者で試行錯誤しながら一緒に作り上げていかなくてはいけない。
まとめ
実際にプロの世界で凌ぎを削ってきた彼の話しには、1つ1つに重みがあった。
それは、指導書なんかには書いていないもの。
これから、彼と一緒に仕事をすることになるが(詳細は後日)、
彼と話す事でたくさんのリアルをこのブログで届けていきたいと思う。
最後に、
彼は、どっちかと言えば、周りの選手を活かすプレーヤー。
その彼が言ってたのが、
「活かす側としては、上手いだけの選手より、しっかり頑張ってくれる、やりきってくれる選手がやりやすい」
という事。
ほんとにそう思う。
上手い選手も育てたいが、個の力を最大限に発揮できるようなたった一人の選手。
こういう選手をこれからも育てていきたい。
そのためには、一人一人としっかり向き合う事が必要だ。
参考:「共争」「共奏」「共創」そして「共感」~これからの育成について~
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