作シーズンは、ギリギリのところでJ1残留を決めた名古屋グランパス。
今シーズンは、11節終了時点で、勝ち点23の2位につけている。
もちろん、選手の補強も躍進の大きなポイントだと思うが、
選手の補強だけでは、勝ち点を積み重ねる事ができない。
その事実は、ヴィッセル神戸が示しているんだが。。。
監督である風間さんが、
「やるべきサッカー」
を明確にして、それがようやく実を結んできたんだろう。
風間監督の考え方は、育成の指導者にとっても勉強になる。
むしろ、育成だからこそ、
もっと風間監督のような考え方をすべきなんじゃないかと思う。
以下、その考え方についてまとめたい。

思考のベースとなるもの
著書の中でも、個人の技術が大切と言われているように、
そのベースは、
「止める」「蹴る」「運ぶ」「(相手を)外す」
の徹底にある。
それが、チームとして機能するためには、徐々にチーム作りをやっていかないといけないが、
昨シーズンまでは、細かい所でのミスも多く、
失点が重なって(リーグワースト59失点)、順位が伸びなかった。
風間監督は、その結果に対し、
種まき、水をやった
と表現している。
ここで学ぶべき事は、
・サッカーのベースになるのは、個の力であって、個の力を伸ばすには、基本技術の徹底が必要という事
・目標を明確にし、コツコツ積み上げれば徐々に目標にたどり着く事
この2つだろう。
結果が重視されるプロの世界では、目の前の試合に勝つ事が優先され、
個の力より、チーム(組織)の力(戦術)が重要視される。
そんな中でも目先の結果だけにとらわれずに、スタイルを作り上げたのは、
評価されるべき点だと思う。
この考え方は、そのまま育成年代のサッカー指導に活かせる。
意識の変化について
いくら監督が「こういうサッカーをやろう」
と選手達に提示しても、選手が理解できなければ、目指すサッカーに到達する事はない。
風間監督の言葉にこういうものがある。
「頭の中が変われば、すべてが変わっていく。『頭の中を変えよう』という意志があるのは自分としっかり向き合って、自分で考えている人間だけ」
きっとグランパスの選手は、頭を使う事ができてきたに違いない。
「止める」「蹴る」「運ぶ」「(相手を)外す」
は大切な要素なんだろうが、この精度を高めるには、
「なぜ??」「どこに??」
がそれぞれの言葉の前につくと思う。
・どこに止めるのか?
・なぜ運ぶのか??
この答えは、頭を使える使えないで大きく変わるはずだ。
この事もまた、育成年代の指導に活かす事ができる。
いや、活かさないといけない。
与えられる事が当たり前になっては、頭を使い考える力は育たない。
スピード感が求められるサッカーの中では、
より速く判断する事が大切になる。
一瞬の閃きや判断が勝負を分ける事もあるし、その閃きや判断は、
日頃の思考の足跡の中から生まれるはずだ。
参考:積み重ねた経験と思考の足跡~インテリジェンスさを発揮するには~
育成年代でどれだけ考えながらサッカーしてきたかが、次のステップで必ず活かされる。
指導者は、ただ練習内容を与えるんじゃなく、練習の中で考える機会を与えないといけない。
まとめ
プロのサッカー監督の考え方は、どこか遠くの考え方のように感じてたが、
風間監督の監督は、すっと府に落ちた。
それは、当たり前の事の大切さを再確認できたからじゃないかと思う。
・基礎・基本の徹底
・目標を明確にして積み上げる
・頭を使い考えてサッカーする
世代を問わず、大切なものだ。
参考:基礎・基本の徹底
育成年代でも勝ちに拘り、色んな事を割りきるチームを見る事がある。
そんな指導者が増えないように、最後に風間監督の一言。
「勝つと楽しむ、その両方を追い求めていくのがサッカーの醍醐味」
子ども達にサッカーの楽しさ、勝つ喜びを伝えていこう。
参考:成長の過程に「楽しさ」を
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