自分がサッカーを始めたのは、小学校4年生。
実は、それまではプロ野球選手になることが夢で、よく父とキャッチボールをしていた。
4年生になり、部活動に入ろうとしたが野球部がなく、仕方なくサッカー部に入ったんだが、それから「ボールを蹴る事」に夢中になり、それからサッカーにのめり込んだ。
昼休みも友達とボールを蹴るようになり、休みの日もサッカーをして遊ぶ。
だんだんボールを遠くに蹴ることができるようになってきた。
今の子ども達は、自分なんかよりずっと早くサッカーを始めている。
当時の自分と比べると、比べ物にならないくらいテクニックはあるし、ボールも蹴ることができる。
だが、ボールを蹴る事に関しては、もっとできないといけないと思っている。
サッカーにおけるロングボールの重要性
サッカーにおいて、キックは大切な技術の1つである。
狙った場所へ正確にパスできると、自分のプレーの幅も広がる。
だが、ゲーム中に気になるのは、パスミスが多いという事。
特に、ロングボールに関しては、そもそも遠くにボールを蹴れないし、キックの種類も少ないような気がする。
それでも、自分と比べると数倍キックの質は高いんだが・・・。
ロングボールが何故か「いけない事」と勘違いされているような育成現場。

敵の背後に大きなスペースがあるなら、走り込む味方に対しロングボールを蹴る事は良い選択になる。
逆サイドにフリーの味方がいるなら、鋭いロングボールで大きなサイドチェンジができれば、状況を変える事ができる。
小さいときは、とにかくドリブルができる事。
小さいときは、ゲームの組み立て方を学ぶために短いパスを多用する事。
こんな考えが、「ロングボールを蹴る事」を躊躇させているんじゃないだろうか。
もちろん、ドリブルの技術を磨くことも、短いパスを繋いでいく事も大切。
だが、「ロングボールを蹴る事」を「いけない事」として捉えてしまうと、選択肢は減っていき、ボールを蹴れない子ども達が増えていく。
ロングボールを蹴るときの条件
そう言いながらも、指導中よく「蹴るな~~~!!!」と言う事がある。
それは、ロングボールを蹴るときの条件を満たしていない時。
あまりにもロングボールに頼ってしまい、「何でもかんでも蹴ってしまえ」になると、ドリブルの技術は身につかないし、判断することもなくなってしまう。
まさに、さっき述べたのとは逆の現象。
ドリブルが足につかない、判断ができない選手が増えていくのは、それこそ大問題である。
なので、ロングボールを蹴る際は、しっかり条件を確認したほうがいい。
・しっかり味方がロングボールを受ける準備ができているかどうか?
→動き出しがある。フリーの状態でいる等
・しっかりロングボールを蹴れる状態に自分がなっているかどうか?
→無理な態勢じゃないか。しっかり蹴れる場所にボールが置けているか等。
・しっかり判断した上で、ロングボールを選択したかどうか?
→いくつかの選択肢の中で選択したか。しっかり見て判断したか等
この3つの条件が揃っていれば、ロングボールを蹴ってもいいし、蹴るべきだと思っている。
そしたら、「蹴るな~~~!!!」なんて言わない。


まとめ
サッカーの醍醐味は色々あるが、「観ている人をハッと驚かすようなプレーも」サッカーの醍醐味の1つである。
物凄いロングパスを通す小学生を見ると、思わず「スゲー」という言葉が出てしまう。
色んな種類のボールを蹴り分ける小学生を見ると、思わず「スゲー」という言葉が出てしまう。
だが、そんなプレーを見る事は少ない。
もちろん、「ロングボールを蹴る」ためには、身体的な能力(体格)も関わってくると思うが、育成現場において「ロングボールを許容する態度」も必要じゃないかと思う。
キックで沸かせるような選手がもっと育ってもいい気がするが・・・。

サッカーは、判断のスポーツである。
色んな考えがあっていいと思うが、「ロングボールをいけない事」と捉える事が、「子ども達の判断を奪わない事」にならない事を願う。
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